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血清フルクトサミン測定の意義
西沢 良記
1
,
森井 浩世
1
,
庄司 哲雄
2
,
田畑 勉
2
1大阪市大第二内科
2蒼龍会井上病院
pp.1060-1061
発行日 1987年8月1日
Published Date 1987/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204248
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アミノ化合物(蛋白)とカルボニル化合物(還元糖など)によるamino-carbonyl反応(Mailard反応)は,以前より食品化学の分野で知られていた.この反応は体内の生理的条件でも生じ,高血糖状態で増加することが認められ,HbA1Cは血糖の指標として広く臨床応用されるに至っている.しかしHbA1Cは赤血球寿命の120日間に生成・代謝されるためその半減期は長く,1〜2か月の血糖指標であり,中期血糖指標が望まれている.
血清蛋白も血中グルコース濃度に依存して非酵素的に糖結合する1).血清蛋白の半減期が2〜20日といわれており,またアルブミンの半減期などからみて血清糖化蛋白レベルは1〜2週前の血糖レベルに相関すると考えられる.このためglycated proteinあるいはglycated albuminの測定が検討されている.HbA1Cの測定がカラムクロマト,電気泳動法,高速液体クロマト,RIAで行われているが,glycated albuminはion-exchange chromatography(DEAE-cellulose)とaffinity chromatography(Affi-gel Blue)などのアルブミンの分離を行い,TBA法,boronic acid affinity chromatography,ion-exchange chromatographyなどによる測定によっている.しかし,これらは操作も複雑で,また安定性に欠けることから,臨床検査として用いるには不適であった.
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