Japanese
English
原著
続発性稗粒腫とその発生について
SECONDARY MILIA AND THEIR GROWTH
辻 卓夫
1
,
中野 和子
1
,
鈴木 伸典
1
Takuo TSUJI
1
,
Kazuko NAKANO
1
,
Shinsuke SUZUKI
1
1大阪市立大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Osaka City University, Medical School
pp.201-207
発行日 1974年3月1日
Published Date 1974/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201273
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10例の患者にみられた続発性稗粒腫について,その肉眼的および組織学的所見をのべると共に,これらの発生母地および発生機序を検討した.特に発生母地については,観察した73個の稗粒腫のうち54個はエックリン汗管由来のもので,2個は毛嚢由来,残りは由来不明であつた.汗管由来の稗粒腫では種々の発達段階のものがみられたが,このいずれにも共通していることは,稗粒腫壁を貫通する汗管の状態で,これらは正常の表皮内汗管にみられる所見とほとんど同じであつた.
続発性稗粒腫の発生機序については,表皮および附属器の再生における再生上皮細胞と結合組織との異常関係を背景にして生じてくるものと想像され,特に汗管由来の稗粒腫では,汗管側から再生してきた表皮部分とその周囲から再生してきた表皮部分との融合障害による一種の歪みと考えたい.そしてこのような条件によつて生じた後,これらは角質性物質を包むうつ滞性嚢腫として更に発育していくと考える.
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