原著
Scar-forming Pemphigoid
長尾 洋
1,2
Yo NAGAO
1,2
1岡山大学医学部皮膚科教室
2岡山大学医学部附属病院皮膚科
1Department of Dermatology, Okayama University Medical School
pp.339-345
発行日 1982年4月1日
Published Date 1982/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202614
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63歳,家婦.主に頭,顔,頸に紅斑で始まり,容易に結痂し,糜爛ないし潰瘍を生じる症例を報告した.組織学的には表皮真皮接合部に裂隙ないし解離を認め,螢光抗体直接法により基底膜部にC3とC1qの線状ないし顆粒状沈着を証明した.当初DLEを疑い精査加療したが,各種外用剤は無効であり,副腎皮質ホルモン剤の全身投与にも強い抵抗性を示した.経過中病勢の最盛期には眼,口腔や鼻咽喉にも粘膜病変を認め,血中抗基底膜抗体(IgG,32倍)を証明した.そして皮疹の治癒に際して瘢痕化を認めた.
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