Japanese
English
原著
マズラ足から分離したMadurella mycetomi,とくに電子顕微鏡的観察
ELECTRON MICROSCOPIC OBSERVATION OF MADURELLA MYCETOMI ISOLATED FROM MADURA FOOT
上田 恵一
1
,
外松 茂太郎
1
Keiichi UYEDA
1
,
Shigetaro SOTOMATSU
1
1京都府立医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.943-949
発行日 1973年11月1日
Published Date 1973/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201230
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
本邦においてみられた58歳男,農夫のマズラ足から得た顆粒を光顕的に,また分離したMadurella mycetomiを培養し電子顕微鏡で観察した.
顆粒内の菌要素は主として厚膜胞子様の菌体が連結し,分枝し,顆粒の辺縁部に放射線状に伸長していた.
培養菌苔を電顕1的に観察すると,菌要素に2〜4μの太さで,2〜3μの比較的細い菌体では細胞質内に小器官が多く,3〜4μの太い菌体には空胞が多かつた.菌体は細胞壁で囲まれ,太短く隔壁で境されていた.形質膜内には核,ミトコンドリア,小胞体,大小様々の空胞ないし液胞がみられ,ロゼット形成したグリコゲン顆粒などがみられた.また空胞内には電子密度の高い顆粒がしばしばみられ,本菌に特有のものと思われた.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.