連載 皮膚科学に貢献した医学者たち・1
皮膚科学に貢献した医学者たち
高橋 吉定
pp.80-83
発行日 1973年1月1日
Published Date 1973/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201097
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
昭和45年から47年にわたつて"皮膚科学の流れ—人と業績—"と題する小文を本誌に連載した.ここで取扱つたのは,19世紀の初期から20世紀初めに至る約100年間で,この期間は,近代皮膚科学として創始されたこの学問が多くの学者によつて進歩し,やがて現代皮膚科学として樹立され,医学の一分科として不動の地位を獲得した時期に当たる.
"皮膚科学の流れ"においては,このほぼ1世紀にわたつて,皮膚科学を科学的医学の一分野として発展させるのに著しく貢献した皮膚科学専門の学者を選び出したが,それはもちろん主として欧米における学者であつた.しかし,その名は現今に至るまで何らかの意味で引き合いに出されているので,そのほとんどは読者の記憶にあつたことと思う.ところが,名だけは熟知の学者でも,その人がどんな経歴や人柄であるかは,多くの読者には未知と思い,各人の略伝を添えて,その人物を知るよすがとした.この"皮膚科学の流れ"はほぼ3年間連載したが,現代皮膚科学のわが国への輸入まで稿を進めたので,一応ここで打切ることにした.その最後は"土肥慶蔵先生"で,昭和47年12月号の誌上であつた.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.