〈原著論文抄録〉
皮膚カンジダ症の種々相,他
山田 瑞穂
1
,
二宮 聖耳
1
,
藤本 典男
1
,
吉永 花子
1
,
丹羽 靱負
1
1大阪赤十字病院皮膚科
pp.461
発行日 1972年5月1日
Published Date 1972/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200994
- 有料閲覧
- 文献概要
従来あまり見られなかつた,種々の形の皮膚カンジダ症が,最近(昭和45,46年)急激に増加した.その原因はコルチコイド外用薬の乱用であろうと想像される.
単なる"おしめかぶれ"皮膚炎はむしろ少なく,種々の程度の乳児寄生菌性紅斑がしばしば見られ,乳児の汗疹に続発する汗疹状カンジダ症があり,腋窩,陰股部などのカンジダ性間擦疹,陰茎,陰嚢,女子外陰,膣カンジダ症なども増加し,夫婦間感染も見られる.また,全身広範囲に生ずる汎発性カンジダ症も多く,それにも丘疹型,膿疱型,落屑型,毛孔性,脂漏性湿疹様のものなどがあり,これが併存していることが少なくない.新生児汎発性—膿疱型皮膚カンジダ症,ボーエン病様前癌症に合併したカンジダ症なども報告した.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.