〈原著論文抄録〉
爪カンジダ症,他
東 禹彦
1
1大阪市立大学医学部皮膚科教室
pp.619
発行日 1968年5月1日
Published Date 1968/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200354
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著者は爪変化を伴つて,患部よりカンジダを培養によつて証明し得た55症例を臨床的に観察し,また一部は抜爪を行つて組織学的に検討した。
爪カンジダ症はカンジダの感染部位により,後爪廓炎型,側爪廓炎型および爪甲剥離型の3型に分けることが出来る。これら3型の臨床像は相当異なつているが,病因論的には同一機序によつて発生するものである。すなわち,カンジダ感染により爪甲が上皮より遊離し,ついで角質増殖を生じることに起因している。各3型における角質増殖の程度の差は爪の解剖学的構造によつて生じ,またそのために臨床像に差を生じるものである。本症におけるカンジダの寄生部位は角質増殖部を主とするが,爪甲中にも見い出し得る。寄生形態は爪甲中では菌糸型を主とし,大気に接しやすい部位では胞子型を主とする。
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