研究メモ
結節性黄色腫
佐藤 吉昭
1,2
1東京医科歯科大学医学部皮膚科学教室
2九段坂病院皮膚科
pp.344
発行日 1972年4月1日
Published Date 1972/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200976
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この一連の写真は,17〜8年前東京周辺の大学など数施設を受診し,教科書,図譜*に結節性黄色腫,黄色腫症として掲載され,現在はごく軽い瘢痕を残すのみとなつた22歳男の症例である.今夏偶然その予後を知ることが出来たので,簡単に報告する.
図1は発症後約1年の症状で,同2との間に教科書などの写真が入ることになる.この間,日大駿河台,千大,東大,そして2,3の医院を受診したが,いずれも短期治療で転医したため効無く,腫瘍は漸増,膨隆し,とくに瞼縁部では著明になつたといい,再度本学を受診した(図2).当時血清は清澄で,総脂質,Cholesterol値,心血管系などを含めて一般検査成績に異常はなかつたが,最近のように精密な脂質代謝や血清蛋白異常に関する検索は行われていない.
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