〈原著論文抄録〉
蛋白分解酵素Pronase-Pの実験的アレルギー性接触皮膚炎の成立におよぼす役割—第1報
宮沢 偵二
1
1仙台逓信病院皮膚科
pp.1313
発行日 1967年12月1日
Published Date 1967/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200263
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0.1%チメロサール軟膏を海猽側腹部皮膚に30日間塗擦しても,皮膚炎は発生しない。この軟膏にPronase-Pを加えると,2〜3週間後に被験動物の83%に皮膚炎が発生する。この皮膚炎の発生した海猽の反対側腹健康皮膚に0.1%チメロサール軟膏を塗擦すると4日後に皮膚炎が発生する。組織学的にアカントーゼ許りでなく,スポンギオーゼ,小水症を証明し,また毛嚢あるいはその周辺の表皮に水銀を証明した。Pronase-P軟膏にも同様の成績が得られた。その頻度,その程度は弱い。
抗体産生抑制作用を有するcyclophosphamicleで前処置すると,皮膚炎の発生は低下する。
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