Japanese
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治療室
蛋白分解酵素の帯下治療に対する応用(第2報)
Application of proteolytic ferment for the treatment of fluor (2. Report)
太田 一夫
1
Kazuo Ohta
1
1新大阪病院産婦人科
pp.356-359
発行日 1957年5月10日
Published Date 1957/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201557
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緒言
帯下と婦人科疾患については,今更改めて申す迄もなく,吾々産婦人科医にとつては,身近かな症状の一つであり,その治療法も要するに原因療法の一語に尽きる様である。従来から多くの学者により,帯下治療に対する業績が発表せられたが,いずれも腟内清拭殺菌作用によつて,腟内自浄作用の常態を保つことを主眼とし,又卵巣機能不全によるとしてホルモン剤も使用された。更に化学療法の出現により,各種の化学療法剤が帯下治療に応用せられ,確かに治療効果の進歩した事は喜ばしい事である。
吾々は先に蛋白分解酵素"ナガーゼ"を帯下治療に応用する目的で,その基礎的実験を主とし,これに加えてその臨床成績の少数について本誌に発表し,事実試験管内実験に於いても又患者自身についての経験でも5回の使用で自他共に帯下の消失を来し,治療経過を短縮せしめ得たことを指摘した。今回は更に例数を追加して些かの知見を得たのでここに報告し,諸賢の御批判を仰ぐ次第である。
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