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                                    蛋白分解酵素の帯下治療に対する応用(第1報)
                                    
                                    
                            
                            
                        
                
                
                            
                            
                                
                                    
                                        
                                            
                                                太田 一夫
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            
                                        
                                    
                                
                                
                                    
                                
                            
                        
                
                
                
                  1新大阪病院産婦人科
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                            
                            
                        
                
                            
                            
                        
                
                pp.585-590
                
                
                
                  
                  
              
              
              
                  発行日 1956年8月10日
                  Published Date 1956/8/10
                
                
                
                DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201409
                
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緒言
産婦人科の外来患者の大部分は程度の差こそあれ,必ずといつてよい程帯下を訴えるものであり,最も身近かな症状の一つであるに係らず,その治療は困難をきわめ,長期間を要するものである。帯下の原因はまことに広範囲にわたり,外陰炎,腟炎,子宮頸管カタル及び子宮,子宮附属器,骨盤結締織などの炎症性疾患をはじめ,子宮腟部糜爛,子宮筋腫,子宮癌などの場合にも見られ,全身疾患の随伴症状として,又個体の体質にも左右されるものである。帯下の治療に際しては勿論原因となるべき疾患を精査することは当然であって,肉眼的及び顕微鏡的に帯下の性状をよくみて,それと共に全身性の変化と関係がないかを十分にしらべる必要がある。
従つて従来から帯下の治療法としては,原因療法を根本としたものであつて,洗滌療法,乾燥療法,各種薬液の塗布,及びタンポン療法,理学的療法などが用いられ,何れも腟内清拭,殺菌作用によつて腟内自浄作用の常態を保つことを主眼とし,又卵巣機能不全と関係があるとしてホルモン療法も使用されて来た。更に近代に至り化学療法剤,坑生物質剤の可急的発展に伴い,多方面に亙るその臨床応用は誠に目ざましいものがあり,内服,注射のみならず,腟坐薬として精製されて難治の帯下治療に恩恵的な成績が各諸家から報告された。更に難治性のものに対しては進んで各種の手術療法も発表されている。

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