Japanese
English
症例報告
Nuchal type fibromaの2例
Two cases of nuchal type fibroma
石川 裕子
1
,
吉田 憲司
1
,
岩瀬 七恵
1
,
関東 裕美
1
,
石河 晃
1
Yuko ISHIKAWA
1
,
Kenji YOSHIDA
1
,
Nanae IWASE
1
,
Hiromi KANTO
1
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
1Department of Dermatology(Omori), School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
キーワード:
nuchal type fibroma
,
後頸部
,
糖尿病
,
皮下腫瘤
Keyword:
nuchal type fibroma
,
後頸部
,
糖尿病
,
皮下腫瘤
pp.1037-1043
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200053
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要約 症例1:67歳,男性.糖尿病の既往歴あり.後頸部の皮下腫瘤で受診した.後頸部正中に15mm大の弾性硬,可動性良好で境界不明瞭な皮下腫瘤を認めた.空腹時血糖113mg/dl.症例2:42歳,男性.既往歴は特にない.右耳後部の皮下腫瘤で受診した.23×16mm大の弾性やや硬,境界不明瞭な皮下腫瘤であり,超音波検査で周囲の皮膚と同エコーの皮膚肥厚像を認めた.病理組織所見は,2症例ともに真皮から脂肪組織にわたり境界不明瞭,不規則で太い膠原線維束が増生していた.腫瘍底部で膠原線維に取り囲まれた島状の脂肪組織と神経組織を認めた.免疫染色ではα-平滑筋アクチン陰性,CD34およびCD99陽性であった.以上より自験例はnuchal type fibromaと診断した.本疾患の報告は少なく稀な疾患とされているが,今回短期間に2症例を経験した.疾患の認知度が低いため,脂肪腫,瘢痕,浮腫性硬化症として見過ごされている可能性がある.
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