Japanese
English
症例報告
小児の鼻根部右側に生じた血管平滑筋腫の1例
A case of angioleiomyoma in the right side of the nasal root of child
前久保 理恵
1
,
成田 幸代
1
,
持田 耕介
1
,
中山 文子
2
,
瀬戸山 充
1
Rie MAEKUBO
1
,
Yukiyo NARITA
1
,
Kousuke MOCHIDA
1
,
Fumiko NAKAYAMA
2
,
Mitsuru SETOYAMA
1
1宮崎大学医学部感覚運動医学講座皮膚科学分野
2県立延岡病院皮膚科
1Department of Dermatology, Miyazaki University, Miyazaki, Japan
2Devision of Dermatology, Nobeoka Hospital, Nobeoka, Japan
キーワード:
血管平滑筋腫
,
angioleiomyoma
,
小児例
Keyword:
血管平滑筋腫
,
angioleiomyoma
,
小児例
pp.885-888
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200011
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要約 10歳,女児.右鼻根部に約1cm大,弾性硬で可動性不良の無痛性皮下結節が出現し受診した.MRIにてT1ならびにT2強調画像で灰白質とほぼ同程度の信号を示し,造影検査ではやや不均一に増強される腫瘍であった.腫瘍発生部位や,MRI画像より皮様囊腫を疑い,切除術を施行した.しかし病理組織所見では,葉巻状の核をもつ紡錐形の細胞の増生と,1層の内皮細胞で構成されている裂隙状の血管腔が散在し,血管腔を取り囲んで線維束が放射状に増殖していた.腫瘍細胞は免疫染色にてα-SMAとHHF-35で陽性,CD34,S100蛋白は陰性であり,血管平滑筋腫(solid type)と診断した.術後2年経過現在,再発は認めていない.過去の報告も含め検討したところ,小児では成人と異なり頭頸部に好発し,無痛性であることも多く,腫瘍サイズも大きい傾向がみられた.疼痛症状は必ずしも当てはまらず,小児の無症状の皮下結節は,血管平滑筋腫も念頭に置く必要がある.
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