Japanese
English
症例報告
結節性紅斑を合併した肉芽腫性乳腺炎の1例
A case of granulomatous mastitis associated with erythema nodosum
梅本 淳一
1
,
大澤 研子
1
,
竹上 智浩
2
,
池澤 優子
1
Junichi UMEMOTO
1
,
Akiko OSAWA
1
,
Tomohiro TAKENOUE
2
,
Yuko IKEZAWA
1
1茅ヶ崎市立病院皮膚科
2茅ケ崎市立病院外科
1Division of Dermatology, Chigasaki Municipal Hospital, Chigasaki, Japan
2Division of Surgery, Chigasaki Municipal Hospital, Chigasaki, Japan
キーワード:
肉芽腫性乳腺炎
,
結節性紅斑
,
ステロイド
Keyword:
肉芽腫性乳腺炎
,
結節性紅斑
,
ステロイド
pp.863-868
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200006
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要約 38歳,女性.右乳房外側に発赤,硬結が出現した.その後同部位に膿瘍形成し,乳癌を疑われ,針生検が施行されたが悪性所見はなく,排膿ドレナージで経過観察されていた.その後右下腿に圧痛を伴う紅斑を自覚し,当科受診し,同部位の皮膚生検にて結節性紅斑と診断した.乳房の硬結部から施行した針生検の病理組織を再評価した結果,肉芽腫性乳腺炎と診断した.消炎鎮痛薬内服にて結節性紅斑は改善するも右乳房の膿瘍は拡大した.そこで,プレドニゾロン20mg/日の内服を開始したところ,膿瘍は徐々に消退し,瘻孔も上皮化傾向を呈した.現在プレドニゾロンを5mg以下まで漸減し,再燃はみられない.結節性紅斑と肉芽腫性乳腺炎の合併例は比較的稀ではあるが報告は散見されている.自験例では両疾患の発症機序に,感染症に伴う免疫アレルギー反応の関与が示唆された.
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