Japanese
English
症例報告
骨盤骨折に対する経カテーテル的動脈塞栓術後に褥瘡に類似した臀筋壊死を生じた2例
Two cases of gluteal muscle nerosis resembling decubitus after transcatheter arterial embolization for pelvic fracture
須原 紫
1
,
松原 真由美
2
,
佐藤 彰洋
1
,
榊原 章浩
1
Yukari SUHARA
1
,
Mayumi MATSUBARA
2
,
Akihiro SATO
1
,
Akihiro SAKAKIBARA
1
1愛知県厚生農業協同組合連合会安城更生病院皮膚科
2愛知県農業協同組合連合会安城更生病院看護部
1Division of Dermatology, Anjo Kosei Hospital, Anjo, Japan
2Division of Nursing, Anjo Kosei Hospital, Anjo, Japan
キーワード:
経カテーテル的動脈塞栓術
,
褥瘡
,
殿筋壊死
Keyword:
経カテーテル的動脈塞栓術
,
褥瘡
,
殿筋壊死
pp.857-862
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200005
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 症例1:77歳,男性.はしごから転落し骨盤を骨折した.骨盤内出血のため,両側の内腸骨動脈に対して経カテーテル的動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization:TAE)が施行された.TAE後5日目に右殿部に紫斑が出現し,褥瘡の疑いで当科へ紹介されたが,その後紫斑は黒色壊死となり,デブリードマンにて臀筋に至る壊死を認めた.症例2:80歳,男性.交通事故で骨盤を骨折した.骨盤内出血のため両側の内腸骨動脈に対してTAEが施行されたが,4日後より両側臀部に紫斑とびらんが出現し,当科へ紹介された.紫斑は急速に黒色壊死となり,臀筋に至る壊死を認めた.骨盤内出血を止血するためのTAEにより救命率は向上しているが,時にTAE後に臀筋壊死,皮膚壊死を合併することがある.褥瘡として皮膚科へ紹介されることも多く,このような合併症を熟知することで適切な対応が可能になると考えた.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.