Japanese
English
症例報告
三叉神経第2枝領域の帯状疱疹治癒後に顔面神経麻痺を発症した1例
A case of facial paralysis occurring after recovery of herpes zoster in the second trigeminal nerve area
山上 優奈
1,2
,
遠藤 雄一郎
2
,
藤澤 章弘
2
,
谷岡 未樹
2
,
椛島 健治
2
,
宮地 良樹
2
Yuna YAMAGAMI
1,2
,
Yuichiro ENDO
2
,
Akihiro FUJISAWA
2
,
Miki TANIOKA
2
,
Kenji KABASHIMA
2
,
Yoshiki MIYACHI
2
1公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院皮膚科
2京都大学大学院医学研究科皮膚科学分野
1Division of Dermatology, Kitano Hospital, the Tazuke Kofukai, Medical Research Institute, Osaka, Japan
2Department of Dermatology, Graduate School of Medicine, Kyoto University, Kyoto, Japan
キーワード:
顔面神経麻痺
,
三叉神経領域帯状疱疹
,
Ramsay Hunt症候群
Keyword:
顔面神経麻痺
,
三叉神経領域帯状疱疹
,
Ramsay Hunt症候群
pp.869-872
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200007
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要約 64歳,男性.2012年11月中頃より左眼瞼周囲にピリピリとした表在性疼痛が出現し,その後同部位に紅斑が出現した.近医で,左三叉神経第2枝領域の帯状疱疹と診断され,第2病日に当科を受診し,入院した.ビクロックス®(アシクロビル)750mg/日を計7日間点滴投与し,左下眼瞼〜頰部,鼻翼にあった紅暈を伴う水疱は痂皮化したが,左顔面は浮腫が強かった.退院後の第10病日より左顔面に違和感が出現し,第16病日には左口角の低下と左鼻唇溝の消失が著明になった.帯状疱疹に伴う左顔面神経麻痺の診断で計9日間のプレドニゾロン投与を行ったところ,治療開始前には柳原法で4/40点であったが,治療1か月後には38点まで改善して麻痺は消失した.皮疹と顔面神経麻痺の出現時期はさまざまであり,皮疹に遅れて麻痺症状が出現することもあるため,三叉神経領域の帯状疱疹や顔面神経麻痺の部分症状がある症例では注意深いフォローを要すると考えた.
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