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文献紹介 ドパミンはヒトの毛包においてin vitroでは退行期へと直接的に誘導する作用を有している
本田 治樹
1
1慶應義塾大学
pp.814
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104136
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レボドパやドパミン作動薬に関連して脱毛をきたした症例報告はこれまでに多数なされているが,その機序は不明であった.本研究において,著者らは,毛包と皮膚にドパミン受容体が発現していることを明らかにし,さらにドパミン存在下では毛包のメラニン含有量は低下し,毛母細胞の増殖も抑えられること,つまり,毛周期はドパミンの直接的な作用によって退行期に移行することを示した.
著者らはまず,手術時に採取した頭皮検体から成長期の毛包のみを分離し,非血清存在下に7日間培養した.その際,ドパミン投与群と非投与群とに分け,7日後の毛周期の変化や各毛包におけるメラニン含有量や毛幹の伸長,毛母細胞の増殖能について比較した.
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