特集 着床
[Topics]In vitro着床モデル
根上 晃
1,2
,
佐々木 博正
1,2
,
長谷 光洋
1,2
,
富永 敏朗
1,2
Akira Negami
1,2
1福井医科大学産科婦人科学教室
2福井県済生会病院産婦人科
pp.59-64
発行日 1990年1月10日
Published Date 1990/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904818
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着床とは受精卵が分割をへて胚胞となり子宮内膜上皮に接着することにより始まり,原始子宮胎盤循環の形成を終了するまでの約1週間の一連のかつ複雑な過程の総称である。したがって,この母児の最初のきずなである着床の成否は,受精卵の発育の状態と卵巣黄体ホルモンに支配された子宮内膜の発育状態の合目的な同調と積極的な相互作用によることは明瞭である。
ヒトの着床を詳細に研究・観察することは倫理面からかなりの制約がある。また,動物はそれぞれ種特有の着床機構を有するため,かならずしも動物実験の結果がヒトにすべて当てはまるとは言えない。しかし,着床初期の胞胚と子宮内膜との相互作用の最初の接点は種をこえた共通性があると思われるため,研究実績が多く,胞胚の扱いやすい家兎を着床実験の材料として選択した。
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