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文献紹介 生体内イメージングによって明らかにされた抗CD20抗体を介したB細胞の除去の機序
角田 梨沙
1
1慶應義塾大学
pp.795
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104135
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現在,抗CD20抗体療法はB細胞性リンパ腫や自己免疫疾患に使用されている.この論文では,抗CD20抗体投与後にB細胞が除去される機序について,生体内イメージングを用いて解析している.
抗CD20抗体を投与したマウスのB細胞の除去率を肝臓,脾臓,リンパ節で比較すると,肝臓が最も高いことがわかった.また肝臓,脾臓の半切除をしたマウスに同様の実験を行うと,肝切除したマウスで除去率が半減した.さらに百日咳毒素で脾臓やリンパ節への血中B細胞の進入を阻害すると,脾臓でのB細胞の集積が減少するとともに,肝臓で効果的にB細胞が除去されることが確認された.以上より,肝臓がB細胞の除去に中心的役割を果たすと考えられた.
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