連載 Clinical Exercise・78
Q考えられる疾患は何か?
安藤 菜緒
1
1東京女子医科大学附属女性生涯健康センター
pp.101-102
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103901
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症例
患 者:54歳,女性
主 訴:両下腿の紅斑,紫斑,潰瘍
家族歴:父に肺癌
既往歴:特記すべきことはない.
現病歴:〈2回目入院までの経過〉20歳台より下腿に紫紅色斑が出現し,夏季に潰瘍化し,秋には軽快するというエピソードを繰り返した.40歳時より秋以降も潰瘍が治りにくくなり,40歳時,54歳時の悪化時に入院加療した.
臨床像:〈1回目入院時〉両下腿,右足背に虫食い状の有痛性潰瘍が多発し,周囲には浸潤を触れる暗紫紅色斑,水疱,点状の紫斑を伴っていた(図1a).〈2回目入院時〉右下腿に不整形の壊死組織を付着する潰瘍が多発し,一部は血疱を形成し,周囲に暗紅色斑と点状紫斑を伴っていた.左下腿には線状ないしは不整形の褐色斑を認めた(図1b).
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