マイオピニオン
女性医師のキャリアパスにおける皮膚科教育
清島 真理子
1
Mariko SEISHIMA
1
1岐阜大学大学院医学系研究科皮膚病態学
pp.104-105
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103900
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1. 何が女性医師で問題か?
全医師のなかで女性医師の割合が16%と増加し,29歳以下の若手医師の30%を女性医師が占めている.特に皮膚科では全体の43%,若手医師の70%は女性である.欧米各国では女性医師の割合は30%以上であり,医学部学生の女性の割合は50%を越しているのでわが国の割合はむしろ低いといえる.しかし,わが国では出産・育児といった女性のライフイベントを契機に女性医師が離職し,そのまま退職に至ったり,長期にわたって非常勤医という不安定な勤務形態をとるケースが少なくない.日本皮膚科学会のアンケートによれば45歳以下の女性皮膚科医の30%以上は非常勤・パートタイム勤務である.一方,男性では7%である.非常勤でも皮膚科を続けていれば,ある程度の報酬を得ることができる.しかし,着実なキャリア形成の観点からは環境が整った時点で常勤への復帰を目指す必要がある.
女性医師の専門医取得率,各学会の役員や大学での講師以上の比率の低さも指摘されている.医学・医療界の女性医師のキャリア形成に対する意識変革も必要であろう.
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