Japanese
English
症例報告
筋層内に発生した顆粒細胞腫の1例
A case of granular cell tumor in the muscular layer
村上 香織
1
,
角田 梨沙
2
,
綿貫 沙織
2
,
齋藤 京
1
Kaori MURAKAMI
1
,
Risa KAKUTA
2
,
Saori WATANUKI
2
,
Hitoshi SAITO
1
1さいたま市立病院皮膚科
2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Saitama Municipal Hospital, Saitama, Japan
2Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
顆粒細胞腫
,
筋層
Keyword:
顆粒細胞腫
,
筋層
pp.1075-1078
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103839
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要約 37歳,女性.4か月前より右上背部の結節を自覚し,圧痛を伴ったため受診した.約2cmで境界明瞭,表面平滑,弾性硬の皮下結節を認め,局所麻酔下に筋層内に存在する腫瘍を摘出した.病理組織学的所見にて線維の増生を伴い増殖する腫瘍細胞を認め,腫瘍細胞は細胞質に好酸性の顆粒を伴った.特殊染色で,腫瘍細胞はS100蛋白陽性,細胞質の顆粒はPAS染色陽性であり,顆粒細胞腫(granular cell tumor:GCT)と診断した.追加切除せず観察し,術後18か月の時点で再発はない.過去5年間の本邦報告例をまとめたところ,皮膚・皮下発生は全体の約40%を占め最多であった.皮下腫瘍として報告されたものは触診上ほとんどが弾性硬であり,深さは自験例のような筋層内のものも散見された.GCTは不完全切除にて再発するとされており,本症がどこにでも発生しうることを念頭に置き鑑別に挙げることができれば,マージンをつけた切除を考慮できると考えた.
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