Japanese
English
症例報告
蜂窩織炎の病変上に生じる紫斑の臨床的検討―組織所見もあわせて
Clinical and pathological examination of the purpura arising on cellulitis lesions
西村(平井) 千尋
1
,
五味 博子
1
,
石井 健
1
,
早川 和人
1
,
大津 貴子
2
,
福積 聡
2
Chihiro NISHIMURA(HIRAI)
1
,
Hiroko GOMI
1
,
Ken ISHII
1
,
Kazuhito HAYAKAWA
1
,
Takako OTSU
2
,
Satoshi FUKUZUMI
2
1帝京大学ちば総合医療センター皮膚科
2帝京大学ちば総合医療センター形成外科
1Department of Dermatology, Teikyo University Chiba Medical Center, Chiba, Japan
2Department of Plastic Surgery, Teikyo University Chiba Medical Center, Chiba, Japan
キーワード:
蜂窩織炎
,
溶連菌
,
紫斑
,
抗ストレプトリジンO(ASO)
,
抗ストレプトキナーゼ(ASK)
Keyword:
蜂窩織炎
,
溶連菌
,
紫斑
,
抗ストレプトリジンO(ASO)
,
抗ストレプトキナーゼ(ASK)
pp.597-602
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103716
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要約 2009年10月~2011年5月に当施設で経験した紫斑を伴う蜂窩織炎の6症例につき臨床的に検討し,このうち生検を施行しえたのは2例であった.症例1:68歳,男性.38℃の発熱と右下腿の発赤,腫脹があった.症例2:62歳,男性.37℃の発熱と左下腿の淡い発赤,腫脹がみられた.2例ともに病変上に粟粒大から半米粒大までの点状出血が密に認められた.病理組織学的には真皮で血管周囲性の好中球浸潤,核塵および血管壁の破壊の所見がみられた.6例全例で経時的に抗ストレプトリジンO(ASO),抗ストレプトキナーゼを測定し,6例中5例で基準値を超える異常高値(ASO最大値:353~973IU/ml),または有意な変動を認め,溶連菌が原因菌であると考えられた.病変上の紫斑は溶連菌性蜂窩織炎の臨床的特徴と考えられ,機序として溶連菌が産生する菌体外毒素によって血管内皮細胞が傷害される可能性が考えられた.
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