Japanese
English
症例報告
上腕に紫紅色結節を呈した肝癌皮膚転移の1例
A case of hepatocellular carcinoma with cutaneous metastasis showing a purple nodule on the right upper arm
五木田 麻里
1
,
福本 毅
1
,
堀 啓一郎
1
,
藤田 昌幸
2
,
浦出 剛史
3
,
河村 史朗
3
,
島田 悦司
3
Mari GOKITA
1
,
Takeshi FUKUMOTO
1
,
Keiichiro HORI
1
,
Masayuki FUJITA
2
,
Takeshi URADE
3
,
Shirou KAWAMURA
3
,
Etuji SHIMADA
3
1神戸医療センター皮膚科
2神戸医療センター研究検査科病理
3神戸医療センター外科
1Division of Dermatology, National Hospital Organaization Kobe Medical Center, Kobe, Japan
2Division of Clinical Pathology, National Hospital Organaization Kobe Medical Center, Kobe, Japan
3Division of Surgery, National Hospital Organaization Kobe Medical Center, Kobe, Japan
キーワード:
紫紅色結節
,
内臓悪性腫瘍
,
皮膚転移
,
肝癌
Keyword:
紫紅色結節
,
内臓悪性腫瘍
,
皮膚転移
,
肝癌
pp.362-366
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103596
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要約 63歳,男性.2010年1月心窩部痛が出現し,精査の結果,T4N1M1 Stage IVbの肝癌,Child-Pugh分類Bと診断された.同年5月,右上腕の腫瘤に気付いた.同年11月中旬当科初診時には,径4cmの紫紅色結節を認め,腫瘍全摘術を施行した.病理組織学的所見は,真皮浅層から皮下組織にかけて,高度に異型のある細胞よりなる充実性の腫瘍塊を認め,一部管状構造を構成していた.腫瘍細胞はサイトケラチンAE1/3およびビメンチン陽性で,α-フェトプロテインおよびhepatocyte paraffin 1は陰性であった.全身検索の結果,肝癌以外の悪性腫瘍は見出せず,肝癌の皮膚転移と診断した.また,同年11月下旬より歯肉転移も出現し,同年12月中旬から放射線療法を開始したが,放射線療法開始3日後に永眠した.肝癌皮膚転移の本邦報告28例を検討した.単発例で上腕に転移が出現した例はこれまで報告がない.
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本論文の図2a、bは異なる写真が掲載されてしまったため、2013年4月25日に正しい写真に修正いたしました。
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