Japanese
English
症例報告
Acral persistent papular mucinosisの2例
Two cases of acral persistent papular mucinosis
林 美穂
1
,
高橋 英至
1
Miho HAYASHI
1
,
Eishi TAKAHASHI
1
1秀和綜合病院皮膚科
1Division of Dermatology, Shuwa General Hospital, Kasukabe, Japan
キーワード:
皮膚ムチン沈着症
,
acral persistent papular mucinosis
Keyword:
皮膚ムチン沈着症
,
acral persistent papular mucinosis
pp.333-336
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103590
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要約 症例1:72歳,男性.15年ほど前より両手背から前腕にかけ常色の小結節が出現し徐々に増数した.掻痒などの自覚症状はなかった.15年の経過の中で自然消退はなく,全身への拡大もなかった.症例2:66歳男性.左前腕に透析のシャントがあり,テープや消毒による接触皮膚炎やシャントトラブルで周囲の静脈の強い怒張がみられていた.2年前より左前腕に掻痒を伴う常色ないし黄白色の丘疹が出現し増数した.同様の皮疹は右前腕にはなかった.2例とも病理組織学的に真皮上層に境界明瞭なアルシアンブルー染色(pH2.5)にて青染するムチンの沈着を認めた.甲状腺機能異常などムチン沈着をきたすような基礎疾患を認めず,特徴的な臨床像から丘疹性ムチン沈着症の1型acral persistent papular mucinosis(APPM)と診断した.文献を踏まえ,炎症に伴い局所的にサイトカインが作用したことによりヒアルロン酸合成酵素発現が亢進し,APPMが生じたと推察した.
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