Japanese
English
症例報告
胸腺癌を合併した抗155/140抗体陽性皮膚筋炎の1例
A case of anti-155/140 antibodies-positive dermatomyositis associated with thymic carcinoma
秋本 成宏
1
,
水野 寛
1
,
新津 佳恵
1
,
江川 博彌
2
,
加治 賢三
3
,
藤本 学
3
Narihiro AKIMOTO
1
,
Hiroshi MIZUNO
1
,
Yoshie NIITSU
1
,
Hiromi EGAWA
2
,
Kenzo KAJI
3
,
Manabu FUJIMOTO
3
1広島市立安佐市民病院皮膚科
2広島市立安佐市民病院呼吸器内科
3金沢大学大学院医学系研究科皮膚科学講座
1Division of Dermatology, Hiroshima City Asa Hospital, Hiroshima, Japan
2Division of Dermatology, Hiroshima City Asa Hospital, Hiroshima, Japan
3Department of Dermatology, Kanazawa University Graduate School of Medical Science, Kanazawa, Japan
キーワード:
皮膚筋炎
,
胸腺癌
,
抗155/140抗体
Keyword:
皮膚筋炎
,
胸腺癌
,
抗155/140抗体
pp.322-326
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103588
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 55歳,女性.掻痒の強い紅斑がほぼ全身に拡大し,下肢の筋力低下や筋肉痛が出現した.筋原性酵素の上昇(CPK 299IU/l,アルドラーゼ9.1IU/l),筋電図で筋原性変化を認め皮膚筋炎と診断した.軽度の呼吸困難を伴っており,胸部CTで縦隔腫瘤およびリンパ節腫脹を認め,生検にて胸腺癌(T3N2M0 stage Ⅳ)と診断した.プレドニゾロン30mg/日の内服を開始し,皮疹は改善した.また胸腺癌に対しては化学療法(シスプラチン110mg/body+エトポシド140mg/body,div)を施行し,腫瘍は不変だがリンパ節腫脹や大動脈周囲の異常陰影は概ね消失した.胸腺癌を合併した皮膚筋炎は,自験例を含め国内外で計19例であった.近年同定された抗155/140抗体は筋炎特異的自己抗体であり,その陽性例で高率に悪性腫瘍の合併を認めると報告されており,自験例でも陽性であった.今後これら自己抗体の測定が,合併症や予後を推測するうえで重要となっていく可能性がある.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.