Japanese
English
症例報告
足底に生じたverrucous carcinomaの1例
A case of planter verrucous carcinoma
畠中 美帆
1
,
石橋 正史
1
Miho HATAKENAKA
1
,
Masafumi ISHIBASHI
1
1日本鋼管病院皮膚科
1Division of Dermatology, Nippon Kohkan Hospital, Kawasaki, Japan
キーワード:
verrucous carcinoma
,
epithelioma cuniculatum
,
squamous cell carcinoma
,
足底
Keyword:
verrucous carcinoma
,
epithelioma cuniculatum
,
squamous cell carcinoma
,
足底
pp.519-524
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204816
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 57歳,男性.発症時期不明の左足底の結節.初診時,径25×25mm大,点状出血を伴う皮膚常色の角化性病変を認め,生検で尋常性疣贅と診断したが,治療を自己中断していた.1年半後の再診時,病変は50×35×30mm大,広基有茎性,疣状,黄褐色の隆起性病変になり,圧痛を伴い下床との可動性はやや不良であった.病理組織像は乳頭腫状の隆起性病変で,表皮は外方性かつ内方性に高度に増殖し,表皮突起は球根状に太く圧排性に延長したが基底細胞は保たれていた.増殖している細胞の主体は好酸性の大きな角化細胞で,核異型や多型性はほとんどみられなかった.疣状癌(verrucous carcinoma:VC)と診断し,MRIで筋膜との境界が一部不明瞭であったため,皮下組織を全層含めて切除したが,組織標本では腫瘍の浸潤は真皮深層にとどまり皮下組織への浸潤はみられなかった.VCの病理組織像では病変全体の構築の把握が重要である.再発もみられるため慎重な経過観察が必要である.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.