特集 角膜ヘルペスの最近の知見
2 涙液中の単純ヘルペスウイルス
江口 洋
1
1近畿大学医学部眼科学教室
キーワード:
涙液
,
角膜ヘルペス
,
単純ヘルペスウイルスⅠ型
,
PCR
,
無症候性排泄
Keyword:
涙液
,
角膜ヘルペス
,
単純ヘルペスウイルスⅠ型
,
PCR
,
無症候性排泄
pp.1043-1047
発行日 2022年11月5日
Published Date 2022/11/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002853
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涙液は,重症の涙液分泌減少型ドライアイでなければおおむね毎分0.7~1.0μL分泌され,眼表面には7~10μL貯留している。同時に,さまざまな生理活性物質を含み,眼表面の感染予防や恒常性維持に重要な役割を果たす1)2)。それら生理活性物質の発現は,いくつかの眼表面疾患の病状に応じて変化するため,疾患の病態生理を表すバイオマーカーとしての役割も果たす。常に分泌され続ける涙液は,前述のバイオマーカーを含み日々の診療で容易に採取できることから,主に眼表面疾患の病態把握や治療効果判定のための検体として古くから利用されてきた。
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