Japanese
English
症例報告
パニツムマブによる痤瘡様皮疹が多発潰瘍化した1例
A case of multiple ulceration of acneiform skin lesions induced by panitumumab
井下 哉恵
1
,
片山 利枝
1
,
松本 千穂
1
,
三宅 泰裕
2
Kanae INOSHITA
1
,
Toshie KATAYAMA
1
,
Chiho MATSUMOTO
1
,
Yasuhiro MIYAKE
2
1箕面市立病院皮膚科
2箕面市立病院外科
1Division of Dermatology, Minoh City Hospital, Minoh, Japan
2Division of Surgery, Minoh City Hospital, Minoh, Japan
キーワード:
パニツムマブ
,
痤瘡様皮疹
,
皮膚潰瘍
,
薬疹
,
皮膚障害
Keyword:
パニツムマブ
,
痤瘡様皮疹
,
皮膚潰瘍
,
薬疹
,
皮膚障害
pp.21-25
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103509
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要約 64歳,女性.直腸癌の肝転移,肺転移に対し,パニツムマブ,塩酸イリノテカンを開始した.投与1週間後から痤瘡様皮疹が出現し,10週目ごろから悪化した.初診時,体幹上肢に黄色壊死組織を伴う点状潰瘍,紅斑が多発散在していた.潰瘍は増大し,疼痛も増強したため,投与開始後14週で両薬剤とも休薬した.休薬後も皮疹は拡大し,潰瘍も増大したが,20週目以降に軽快傾向を示した.塩酸ミノサイクリン内服,ステロイド外用で加療し,1か所残存した潰瘍部は縫縮した.病理組織像では表皮は欠損し,真皮上層に好中球,リンパ球浸潤を認めた.パニツムマブによる痤瘡様皮疹の多発潰瘍化と診断した.今後,分子標的薬の使用はますます増加していくと思われ,このような症例の対応については今後の課題と思われる.
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