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特集 消化器良性疾患に対する外科治療update
II. 下部消化管
1.潰瘍性大腸炎に対する外科治療update
Update of surgical strategy for ulcerative colitis
品川 貴秀
1
,
野澤 宏彰
1
,
石原 聡一郎
1
T. Shinagawa
1
,
H. Nozawa
1
,
S. Ishihara
1
1東京大学腫瘍外科
キーワード:
炎症性腸疾患
,
潰瘍性大腸炎
,
外科治療
Keyword:
炎症性腸疾患
,
潰瘍性大腸炎
,
外科治療
pp.320-327
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka86_320
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潰瘍性大腸炎は,急速に進行する劇症型症例や,内科的治療が無効あるいは治療抵抗性の重症・難治症例および発癌症例に対しては外科的治療が必要であり,適切な外科治療戦略が望まれる.外科的治療には術後合併症を避ける安全な術式と機能面での両立が必要であり,2期ないし3期での分割手術が行われることが多い.当科では劇症型や重症・難治症例に対する緊急・準緊急手術では基本的に1期目で結腸亜全摘・回腸人工肛門造設・S状結腸粘液瘻造設を行い,2期目で回腸人工肛門造設を併せた残存大腸全摘・回腸囊肛門(管)吻合を行い,最後に人工肛門閉鎖を行う3期分割手術を行っているが,炎症の比較的コントロールされた発癌症例などに対しては,まず回腸人工肛門造設を併せた大腸全摘・回腸囊肛門(管)吻合を行い,後に人工肛門閉鎖を行う2期分割手術を行っている.また腹腔鏡下手術に代表されるより低侵襲な治療も広まってきており,症例に応じた適切な治療法の選択が重要である.
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