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Rinsho Hifuka Volume 66, Issue 12 （November 2012）

臨床皮膚科 66巻12号（2012年11月発行）

Japanese English

症例報告

茶のしずく石鹸^®以外の加水分解小麦含有石鹸を使用していた患者にみられた小麦アレルギーの1例 A case of wheat allergy caused by hydrolyzed wheat proteins in soap different from Chanoshizukusekken 山本祐理子 ¹ , 服部淳子 ¹ , 峠岡理沙 ¹ , 益田浩司 ¹ , 千貫祐子 ² , 森田栄伸 ² , 加藤則人 ¹ Yuriko YAMAMOTO ¹ , Junko HATTORI ¹ , Risa MINEOKA ¹ , Koji MASUDA ¹ , Yuko CHINUKI ² , Eishin MORITA ² , Norito KATOH ¹ ¹京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学 ²島根大学医学部皮膚科学講座 ¹Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine Graduate School of Medical Science, Kyoto, Japan ²Department of Dermatology, Shimane University Faculty of Medicine, Izumo, Japan キーワード：加水分解小麦 , 小麦依存性運動誘発アナフィラキシー , 美容石鹸 Keyword: 加水分解小麦 , 小麦依存性運動誘発アナフィラキシー , 美容石鹸 pp.940-943

発行日 2012年11月1日 Published Date 2012/11/1

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103453

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参考文献 Reference

要約　43歳，女性．2009年より加水分解小麦含有の美容石鹸(サヴォンアンベリール^®，株式会社コスメナチュラルズ)を使用していた．2011年1月頃より洗顔後の顔面の掻痒感を自覚したが，使用を継続していた．同年3月に食パンを摂取し，歩行約1時間半後に，眼瞼浮腫や呼吸困難感が出現した．抗原特異的IgE検査ではIgE(RAST)小麦19.50UA/ml，グルテン28.90UA/ml，ω-5グリアジン0.48UA/mlであった．プリックテストでは加水分解小麦(グルパール19S)0.01%で陽性であった．食パン55g負荷による運動誘発試験は陰性であったが，小麦依存性運動誘発アナフィラキシーの可能性が高いと考えた．小麦アレルギーの感作経路として石鹸に含有される加水分解小麦が疑われた．加水分解小麦による小麦アレルギーは茶のしずく石鹸^®以外でも生じうるため注意が必要である．