統計
当科における加水分解コムギ含有石鹸による小麦アレルギー症例の検討
加太 美保
1
,
高橋 聡文
,
鵜飼 佳子
,
藤本 徳毅
,
田中 俊宏
1滋賀医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
小麦
,
石けん
,
タンパク質加水分解物
,
経口投与
,
皮膚テスト
,
Fexofenadine
,
過敏症-小麦
,
食物依存性運動誘発アナフィラキシー
Keyword:
Administration, Oral
,
Protein Hydrolysates
,
Skin Tests
,
Soaps
,
Triticum
,
Wheat Hypersensitivity
,
Fexofenadine
pp.82-86
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2015110261
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症例1は34歳女性で、小児期にアトピー性皮膚炎があった。パン摂取後の歩行時に眼の痒み、顔面腫脹、大腿の膨疹が出現し受診した。症例2は47歳女性で、花粉症の既往があった。運動中の眼瞼違和感で受診した。症例3は42歳女性で、ピザ摂取中より眼瞼腫脹、頸部発赤、手のそう痒、声が出にくい咽喉頭症状が出現し、近医の点滴加療で改善したが、血液検査で小麦特異的IgE高値を指摘され、小麦摂取を避けていたが、あるとき少量摂取後に症状出現がなく通常通りパンを摂取していた。3例とも茶のしずく石鹸(加水分解小麦含有石鹸)を複数年使用しており、プリックテストは陽性、小麦特異的IgEが高値であり、当該石鹸使用による小麦依存性運動誘導アナフィラキシーと診断した。小麦摂取を控え、摂取後の運動に注意するよう指導し、それぞれ15ヵ月後、25ヵ月後、1年後のプリックテストは陽性であったが、いずれも小麦特異的IgEは低下していた。
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