Japanese
English
症例報告
軟骨肉腫との鑑別にKi-67染色,p53染色が有用であった骨外軟骨腫の1例
A case of extraskeletal chondroma;Ki-67, p53 staining was useful for the differentiation from chondrosarcoma
茶谷 彩華
1
,
畑 康樹
1
,
宇月 美和
2
,
下川 伶子
2
Ayaka CHAYA
1
,
Yasuki HATA
1
,
Miwa UZUKI
2
,
Reiko SHIMOKAWA
2
1済生会横浜市東部病院皮膚科
2済生会横浜市東部病院病理科
1Division of Dermatology, Saiseikai Yokohamashi Tobu Hospital, Yokohama, Japan
2Division of Pathology, Saiseikai Yokohamashi Tobu Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
軟骨腫
,
軟骨肉腫
,
Ki-67染色
,
p53染色
Keyword:
軟骨腫
,
軟骨肉腫
,
Ki-67染色
,
p53染色
pp.772-776
発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103408
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要約 68歳,女性.3年前より除々に増大する左足底の皮下腫瘤を自覚した.初診時,左足底第2趾MTP関節部に表面の皮膚が肥厚し胼胝様を呈する骨様硬の皮下腫瘍を認めた.組織像では真皮内に骨と連続しない腫瘍塊がみられた.腫瘍は分葉構造を呈する軟骨細胞の増殖により構成され,軟骨細胞間には石灰化,硝子骨化,脂肪髄を伴う成熟骨組織を伴った.一部で細胞成分が豊富で,大型の核を呈し,軟骨肉腫との鑑別を要した.発生部位が四肢末梢であったこと,p53染色,Ki-67染色が陰性であり増殖能が乏しかったことより骨外軟骨腫と診断した.骨外軟骨腫は骨と連続性を持たない軟骨腫瘍であり,比較的まれな腫瘍である.組織学的には核異型を伴うこともあり軟骨肉腫との鑑別を要する場合もある.Ki-67染色,p53染色をともに行ったことで軟骨肉腫との鑑別がより正確に行えたと考えられ,これらは有用な染色法であると思われた.
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