Japanese
English
症例報告
Nail-patella症候群の乳児例
An infantile case of nail-patella syndrome
安田 文世
1
,
木花 いづみ
1
,
菅沼 淳
2
Fumiyo YASUDA
1
,
Izumi KONOHANA
1
,
Jun SUGANUMA
2
1平塚市民病院皮膚科
2平塚市民病院整形外科
1Divison of Dermatology, Hiratsuka City Hospital, Hiratsuka, Japan
2Divison of Orthopedic Surgery, Hiratsuka City Hospital, Hiratsuka, Japan
キーワード:
nail-patella症候群
,
先天性爪甲形成異常
,
爪甲欠損
Keyword:
nail-patella症候群
,
先天性爪甲形成異常
,
爪甲欠損
pp.765-768
発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103406
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要約 4か月,女児.吸引分娩,正常発達.家族歴はない.出生時よりみられる両拇指の爪甲欠損を主訴に当科を受診した.左右対称性に拇指の爪甲は完全に欠損していた.その他の爪甲も菲薄化ないしは縦裂がみられ,中指では爪半月が三角状だった.足趾爪甲の異常はなかった.拇指の爪甲に最も障害が強く,小指に向かうにつれ軽くなる爪甲形成異常症のうちの,爪膝蓋症候群;nail-patella症候群を疑った.経過観察中の1歳時に膝蓋形成不全を確認,本症と診断した.Nail-patella症候群では爪の異形成と膝蓋骨形成不全は高率に認められるが,乳児期に骨の評価は困難なため,爪の異形成が唯一の症状となりうる.爪の異常の程度はさまざまなため,軽度な爪の変形を見た場合でも,本症のように後に生命予後に関わる他臓器症状を呈する可能性もあることを念頭に置き,注意深く観察する必要がある.爪甲形成異常をきたす疾患の鑑別点についてもまとめた.
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