Japanese
English
症例報告
インフリキシマブが奏効した多中心性細網組織球症の1例
A case of multicentric reticulohistiocytosis with a good response to infliximab
福井 眺万
1
,
南 満芳
1
,
水木 伸一
2
Nozomi FUKUI
1
,
Mitsuyoshi MINAMI
1
,
Shinichi MIZUKI
2
1松山赤十字病院皮膚科
2松山赤十字病院リウマチ科
1Division of Dermatology, Matsuyama Red Cross Hospital, Matsuyama, Japan
2Division of Rheumatology, Matsuyama Red Cross Hospital, Matsuyama, Japan
キーワード:
多中心性細網組織球症
,
抗TNF-α製剤
,
免疫抑制剤
,
アレンドロネート
Keyword:
多中心性細網組織球症
,
抗TNF-α製剤
,
免疫抑制剤
,
アレンドロネート
pp.695-700
発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103384
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要約 44歳,男性.初診の2か月前より両手指背,右耳介に自覚症状のない紅色小結節が出現し,徐々に増加した.顔面にも同様の小結節が出現し,肩,膝の関節痛や手指のこわばりも自覚するようになったため当科を受診した.初診時両耳介と前額,内眼角,頰にかけて左右対称性に米粒大前後の紅色小結節が多発し,指背でも同様の硬い小結節を認めた.皮膚生検では真皮内にスリガラス様・好酸性の細胞質を持つ組織球様細胞および多核巨細胞が増殖しており,多中心性細網組織球症と診断した.メトトレキサート10mg/週,プレドニゾロン15mg/日,アレンドロネート35mg/週投与で効果がなかったため,インフリキシマブ3mg/kgの投与を開始した.初回投与後2週目,6週目に,以降は8週ごとに投与を行った結果,皮疹,関節炎ともに改善した.既存の治療で効果不十分な症例に対して抗TNF-α製剤が有用である可能性が考えられた.
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