Japanese
English
症例報告
インフリキシマブ投与によりADLの著明改善が得られた若年の関節症性乾癬の1例
A case of juvenile psoriasis arthropathica successfully treated and demonstrated remarkably improved activity of daily living with infliximab
種本 紗枝
1
,
佐藤 美聡
1
,
稲積 豊子
1
,
倉林 博敏
2
Sae TANEMOTO
1
,
Misato SATO
1
,
Toyoko INAZUMI
1
,
Hirotoshi KURABAYASHI
2
1国家公務員共済組合連合会立川病院皮膚科
2国家公務員共済組合連合会立川病院整形外科
1Division of Dermatology, Tachikawa Kyosai Hospital, Tachikawa, Japan
2Division of Orthopedics, Tachikawa Kyosai Hospital, Tachikawa, Japan
キーワード:
関節症性乾癬
,
インフリキシマブ
Keyword:
関節症性乾癬
,
インフリキシマブ
pp.679-683
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204856
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要約 20歳,男性.2008年7月(14歳時)に膝関節痛が出現し,若年性関節リウマチの診断でサラゾスルファピリジン,プレドニゾロン,メトトレキサート,タクロリムス投与歴がある.2011年3月(17歳時)頃から,皮疹が出現しステロイド外用加療をしていた.2014年11月当院受診時,全身の関節痛,下肢の屈曲拘縮著明であった.軀幹四肢には辺縁に浸潤を触れる粟粒大から母指頭大までの鱗屑に乏しい紅斑が多発癒合し局面を形成し,爪病変を認めた.CASPAR分類で3点以上であり,関節症性乾癬と診断し,インフリキシマブを投与した.投与翌日より関節痛は軽減し,6週後には自立歩行可能となった.関節症性乾癬の大半は,皮疹が先行し関節痛が続発するが,稀に関節痛が先行することもあり,関節痛が関節症性乾癬の症状と認識されない場合もある.早期診断し,不可逆的な関節破壊やADL(activities of daily living)低下に至る前に治療を開始することが重要であると考えた.
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