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特集 最近のトピックス2013 Clinical Dermatology 2013
1.最近話題の皮膚疾患
テラプレビルによる皮膚障害
Cutaneous adverse reaction caused by telaprevir
末木 博彦
1
,
鳥居 秀嗣
2
,
大槻 マミ太郎
3
Hirohiko SUEKI
1
,
Hideshi TORII
2
,
Mamitaro OHTSUKI
3
1昭和大学医学部皮膚科
2社会保険中央総合病院皮膚科
3自治医科大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Showa University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Division of Dermatology, Social Insurance Central General Hospital, Tokyo, Japan
3Department of Dermatology. Jichi Medical University, Tochigi, Japan
キーワード:
テラプレビル
,
多形紅斑
,
Stevens-Johnson症候群
,
中毒性表皮壊死症
,
薬剤性過敏症症候群
Keyword:
テラプレビル
,
多形紅斑
,
Stevens-Johnson症候群
,
中毒性表皮壊死症
,
薬剤性過敏症症候群
pp.8-12
発行日 2013年4月10日
Published Date 2013/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103606
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要約 テラプレビル(テラビック®)はC型肝炎ウイルス(hepatitis C virus:HCV)に直接作用する新しいタイプの抗ウイルス薬で,従来からのペグインターフェロンα-2b,リバビリンの2剤療法に本剤を加えた3剤療法として用いられる.高い有効性を示す反面,重症薬疹の報告がある.本剤の承認にあたっては皮膚科専門医と緊密な連携ができる施設に限定して使用が許可された.わが国では臨床試験と市販後調査を合わせ2012年10月末現在,7,000例以上に投与され,Stevens-Johnson症候群1例,中毒性表皮壊死症2例(うち1例は死亡例),薬剤性過敏症症候群2例が確認されている.治療開始数日後の早期から出現する紅斑・丘疹はグレード1と2が大半を占め,ステロイド外用療法と抗アレルギー薬内服で多くは継続可能である.多形紅斑の大半や重症薬疹は治療開始1~2か月以降に発症している.テラプレビルによる皮膚障害に対しては薬剤の有効性と危険性の双方を睨み,患者の利益を損なわないよう対処する必要がある.皮膚科医の積極的関与,専門性の発揮が求められている.
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