Japanese
English
症例報告
急性痘瘡状苔癬状粃糠疹の治療中に発症したDDS症候群の1例
A case of DDS syndrome occurring in a patient with pityriasis lichenoides et varioliformis acuta
吉井 美香
1
,
勝田 潤子
1
,
土岐 真理子
1
,
荻野 篤彦
1
Mika YOSHII
1
,
Junko SHODA
1
,
Mariko TOKI
1
,
Atsuhiko OGINO
1
1国立京都病院皮膚科
1Department of Dermatology, Kyoto National Hospital
キーワード:
DDS症候群
,
急性痘瘡状苔癬状粃糠疹
,
薬疹
Keyword:
DDS症候群
,
急性痘瘡状苔癬状粃糠疹
,
薬疹
pp.589-592
発行日 2001年7月1日
Published Date 2001/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903637
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23歳,男性.急性痘瘡状苔癬状粃糠疹にてDDS 75 mg/日の内服を始めたところ,40日後に発熱や全身倦怠感などの全身症状,顔面の浮腫,表在リンパ節腫脹,全身の瘙痒を伴う紅斑が出現し,肝機能異常を認めた.しかし,リンパ球や単核球の増加は認められず,異型リンパ球の出現はみられなかった.本症をDDS症候群と診断し,ステロイドの全身投与で加療したところ,紅斑は2週間ほどで消退し,同時に急性痘瘡状苔癬状粃糠疹も瘢痕を残して治癒した.肝機能異常も1か月ほどで改善した.DDS症候群の治癒後に発汗低下と眉毛および頭髪の脱毛を訴えたが,合併しているアトピー性皮膚炎の影響が大きいと考えた.DDSの副作用は多彩であるが,DDS症候群は本邦では自験例を含めて21例が報告されているに過ぎない.DDS症候群の疾患概念と本邦報告例について考察する.
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