Japanese
English
原著
免疫電顕および免疫ブロット法にて確診し得た後天性表皮水疱症
Epidermolysis Bullosa Acquisita Diagnosed with Immunoelectron Microscopic and Immunoblot Studies
稲積 豊子
1
,
石河 晃
1
,
小野寺 有子
1
,
清水 宏
1
,
橋本 隆
1
,
西川 武二
1
Toyoko INAZUMI
1
,
Akira ISHIKO
1
,
Yuko ONODERA
1
,
Hiroshi SHIMIZU
1
,
Takashi HASHIMOTO
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
後天性表皮水疱症
,
免疫電顕
,
免疫ブロット法
Keyword:
後天性表皮水疱症
,
免疫電顕
,
免疫ブロット法
pp.1101-1104
発行日 1992年12月1日
Published Date 1992/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900774
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59歳,男性.昭和59年に食道癌の根治術施行され,tegafurを1日600 mg内服中.初診の3カ月前より口腔内,四肢に難治性のびらんが出現し,特に下腿伸側には瘢痕,色素沈着,稗粒腫の集簇も散在性に認めた.爪甲変形(+).組織学的には表皮下の列隙,真皮上層の軽度の細胞浸潤を認めた.病変部の免疫蛍光抗体直接法で,基底膜部にIgG,C3の線状沈着,間接法で抗基底膜部抗体は40倍陽性,1M-NaCl剥離皮膚を基質とした場合は血中抗体は真皮側のみと結合した.血中抗体(IgG)は免疫電顕ペルオキシダーゼ法ではlamina densaとその下部に,金コロイド法ではanchor—ing fibrilの上下両端のみに結合性を認めた.また患者血清は正常皮膚真皮抽出蛋白を用いた免疫ブロット法では分子量290 KDのVII型コラーゲンを認識した.後天性表皮水疱症と類天疱瘡群は鑑別困難な場合があり,免疫電顕および免疫ブロット法は両者の鑑別ならびに診断確定に重要であることを述べた.
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