Japanese
English
症例報告
Delusional infestationの2例
Two cases of delusional infestation
坂井 博之
1
,
菅野 恭子
1
,
佐藤 譲
2
,
飯塚 一
3
Hiroyuki SAKAI
1
,
Kyoko KANNO
1
,
Yuzuru SATO
2
,
Hajime IIZUKA
3
1市立旭川病院皮膚科
2市立旭川病院精神神経科
3旭川医科大学皮膚科学教室
1Division of Dermatology,Asahikawa City Hospital,Asahikawa,Japan
2Division of Psychiatry,Asahikawa City Hospital,Asahikawa,Japan
3Department of Dermatology,Asahikawa Medical College,Asahikawa,Japan
キーワード:
delusional infestation
,
寄生虫妄想
,
ライム病
,
specimen sign
,
スルピリド
Keyword:
delusional infestation
,
寄生虫妄想
,
ライム病
,
specimen sign
,
スルピリド
pp.1041-1044
発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103118
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要約 症例1:81歳,男性.1942年にライム病に罹患し,その後現在まで虫が体内に棲息し種々の症状をきたしていると信じている.過去にライム病の治療歴があり,これまでの経過をレポート用紙にまとめて持参してきた.スルピリド投与により訴えが減少した.症例2:52歳,男性.再診時に虫の検査を希望して繊維屑や紙片を持参してきた.Delusional infestation(DI)と考え対応していたが来院しなくなった.両症例ともにspecimen signを示したprimary DIと診断した.DIは妄想性疾患であるが,患者にとっては現実的な皮膚疾患と同様であるため通常皮膚科を受診する.DI患者への対応,薬物療法など基本的な対症方法を考察した.スルピリドはDIに対して効果が期待できる皮膚科医でも使用しやすい薬剤の1つと考えた.
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