Japanese
English
症例報告
ホスホマイシンナトリウムとプロプラノロール塩酸塩の併用による膿疱型薬疹の1例
A case of pustular drug eruption induced by a drug combination of fosfomycin sodium and propranolol hydrochloride
坂井 博之
1
,
菅野 恭子
1
,
岸部 麻里
2
,
飯塚 一
2
Hiroyuki SAKAI
1
,
Kyoko KANNO
1
,
Mari KISHIBE
2
,
Hajime IIZUKA
2
1市立旭川病院皮膚科
2旭川医科大学皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Asahikawa City Hospital, Asahikawa, Japan
2Department of Dermatology, Asahikawa Medical University, Asahikawa, Japan
キーワード:
膿疱
,
ホスホマイシン
,
プロプラノロール
Keyword:
膿疱
,
ホスホマイシン
,
プロプラノロール
pp.485-489
発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103688
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要約
71歳,男性.初診の28日前から高血圧に対しプロプラノロール塩酸塩の内服を開始した.初診の8日前と7日前および初診前日と当日にホスホマイシンナトリウムを点滴投与された.初診の2日前から体幹を中心に紅色皮疹が出現,薬疹の診断で初診翌日からプレドニゾロン内服を開始したが,皮疹は増悪し紅斑上に多数の表在性小膿疱が出現した.病理組織学的には角層下に好中球性膿瘍,膿瘍周囲に表皮細胞変性像を認めた.プロプラノロール塩酸塩の内服を中止し皮疹は改善したが,ホスホマイシンナトリウムの再投与で膿疱を伴わない紅斑が再燃した.薬剤リンパ球刺激試験はホスホマイシンのみ陽性で,プロプラノロール塩酸塩は陰性であった.自験例では,ホスホマイシンに対する薬剤アレルギーにプロプラノロール塩酸塩の非アレルギー的あるいはアレルギー的機序が加わって膿疱型薬疹が出現したと推測した.
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