Japanese
English
症例報告
急性腹症をきたした遺伝性血管性浮腫の1例
A case of hereditary angioedema with acute abdominal symptoms
金田 和宏
1
,
木ノ内 基史
1
,
岡山 大志
2
,
岡村 幹郎
2
,
新居 利英
2
,
飯塚 一
3
Kazuhiro KANETA
1
,
Motoshi KINOUCHI
1
,
Taishi OKAYAMA
2
,
Mikio OKAMURA
2
,
Toshihide ARAI
2
,
Hajime IIZUKA
3
1深川市立病院皮膚科
2深川市立病院外科
3旭川医科大学皮膚科
1Division of Dermatology,Fukagawa Municipal Hospital,Fukagawa,Japan
2Division of Surgeuy,Fukagawa Municipal Hospital,Fukagawa,Japan
3Department of Dermatology,Asahikawa Medical College,Asahikawa,Japan
キーワード:
遺伝性血管性浮腫
,
C1エステラーゼインヒビター
,
急性腹症
Keyword:
遺伝性血管性浮腫
,
C1エステラーゼインヒビター
,
急性腹症
pp.209-212
発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102831
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要約 16歳,女性.初診の2日前から手の浮腫と紅斑を生じた.父親に誘因がなく手が腫れるという既往歴があった.C1エステラーゼインヒビター活性が25%以下と著明に低下していたことから,遺伝性血管性浮腫(HAE)と診断した.トラネキサム酸1,500mg/日の内服で軽快していたが,約3か月間の内服後に自己判断で中止していた.中止の約8か月後に急激な腹痛・嘔吐をきたし,急性腹症の診断で外科に入院した.腹部造影CT検査で小腸壁の著明な肥厚と腹水の貯留を認めた.臨床症状と併せて,HAEに伴う腸管障害と診断し,絶食・補液で臨床症状は改善した.HAEは皮膚症状以外にも,喉頭浮腫・腸管障害などの他臓器症状を伴うことがあり,不要な外科的侵襲を避けるなど適切な対処が必要である.
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