Japanese
English
症例報告
体表リンパ流分布に沿い広範囲に皮疹が分布した習慣性丹毒の1例
A case of the recurrent,wide spreading erysipelas along the patterns of lymphatic drainage
志賀 建夫
1
,
岸本 英樹
1
,
青木 奈津子
1
,
樽谷 勝仁
1
,
佐野 栄紀
1
Takeo SHIGA
1
,
Hideki KISHIMOTO
1
,
Natsuko AOKI
1
,
Masahito TARUTANI
1
,
Shigetoshi SANO
1
1高知大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology,Kochi Medical School,Nankoku,Japan
キーワード:
習慣性丹毒
,
溶血性連鎖球菌
,
担癌患者
,
リンパ流
Keyword:
習慣性丹毒
,
溶血性連鎖球菌
,
担癌患者
,
リンパ流
pp.67-71
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102791
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要約 56歳,女性.両側腋窩リンパ節に転移をきたした進行期乳癌(stage Ⅳ)のため当院外科にて手術,放射線療法,化学療法を受けていた.初診の3日前より38℃台の発熱とともに,右上肢に発赤が出現したため,当院外科を受診した.セフジニルカプセル(セフゾン®)内服により解熱したものの,体幹の広い範囲に紅斑が出現してきたため当科を紹介された.右上肢に小水疱,小膿疱をのせる発赤,腫脹がみられ,体幹の広い範囲に不整形の紅斑を認めた.約3週間クリンダマイシンリン酸エステル(ダラシン®)の点滴投与とスルタミシリントシル酸塩水和物(ユナシン®)内服治療を行い,皮疹は完全に消退したが1か月後に敗血症を伴い再燃した.習慣性丹毒と診断し抗生剤長期投与を継続している.自験例の特異な臨床像は両側腋窩リンパ節転移によるリンパ流うっ滞のためと考えた.
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