Japanese
English
症例報告
前胸部の浮腫性肥厚をきたした習慣性丹毒
A case of recurrent erysipelas that showed edematous thickening of the chest
伊藤 あおい
1,2
,
高橋 正明
1
Aoi ITO
1,2
,
Masaaki TAKAHASHI
1
1市立函館病院皮膚科
2弘前大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Hakodate Municipal Hospital
キーワード:
習慣性丹毒
,
浮腫性肥厚
Keyword:
習慣性丹毒
,
浮腫性肥厚
pp.526-528
発行日 1998年6月1日
Published Date 1998/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902581
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49歳,男性.前胸部に丹毒を発症し,以後10年間に8回の再発を繰り返している.10年の経過で前胸壁は指圧痕を残さない浮腫状を呈し,ゴム様の弾力を有するようになった.CTでは皮下脂肪層の肥厚が認められたが,胸壁内には明らかな器質的異常は認められず,生検組織像でリンパ管の拡張がみられた.このことから,丹毒の再発によりリンパ管の閉塞をきたし,リンパのうっ滞,リンパ管の拡張,そしてリンパ浮腫を引き起こし,これがさらに丹毒を再発しやすくするという悪循環に陥ったものと考えた.リンパ節郭清後の四肢のリンパ浮腫に生じる丹毒は稀ならず認められるが,前胸部は稀と思われ報告した.
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