Japanese
English
症例報告
単発性乳暈部平滑筋腫の1例―免疫組織学的特徴について
A case report of solitary mammary leiomyoma of the areola,with characterization using immunehistochemistry
安田 文世
1
,
舩越 建
1
,
吉田 理恵
1
,
亀山 香織
2
,
石河 晃
1
Fumiyo YASUDA
1
,
Takeru FUNAKOSHI
1
,
Rie YOSHIDA
1
,
Kaori KAMEYAMA
2
,
Akira ISHIKO
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2慶應義塾大学医学部病理学教室
1Department of Dermatology,Keio University School of Medicine,Tokyo,Japan
2Department of Pathology,Keio University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
単発性陰部平滑筋腫
,
乳暈部
,
エストロゲン受容体
,
プロゲステロン受容体
Keyword:
単発性陰部平滑筋腫
,
乳暈部
,
エストロゲン受容体
,
プロゲステロン受容体
pp.39-42
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102785
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要約 81歳,男性.約3年前より右乳暈部にかゆみを伴う9mm大の茶褐色の丘疹を自覚し来院した.局麻下に切除した病理標本では,真皮内に好酸性の細胞質を有する紡錘形細胞が束状に増殖していた.これらは免疫組織化学染色にてα-SMA,デスミンが陽性であり,乳暈部に生じた単発性の皮膚平滑筋腫と診断した.エストロゲンレセプター(ER),プロゲステロンレセプター(PgR)発現も陽性を示したため,平滑筋腫の亜分類を考察すべく,当施設で過去に経験した平滑筋腫3例と正常立毛筋1件,正常乳頭3件,正常陰囊肉様膜1件を検証した.その結果,正常乳管周囲の平滑筋においてER,PgRの発現がみられたが,他の平滑筋腫,立毛筋,陰囊肉様膜は陰性であった.乳暈部の平滑筋腫は成書では陰部平滑筋腫として分類されているが,発生部位,起源,治療法の観点から,これとは異なる独立した亜型として分類すべきであると考えた.
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