Japanese
English
症例報告
生下時より存在したnuchal-type fibromaの1例
A case of nuchal-type fibroma present at birth
天野 愛純香
1
,
高坂 卓馬
1
,
稲束 有希子
1
,
河合 幹雄
1
,
秀 道広
1
Asuka AMANO
1
,
Takuma KOHSAKA
1
,
Yukiko INAZUKA
1
,
Mikio KAWAI
1
,
Michihiro HIDE
1
1広島大学大学院医歯薬保健学研究院皮膚科学
1Department of Dermatology, Graduate School of Biomedical & Health Sciences, Hiroshima University, Hiroshima, Japan
キーワード:
nuchal-type fibroma
,
乳児
,
再発
,
desmoid-type fibromatosis
Keyword:
nuchal-type fibroma
,
乳児
,
再発
,
desmoid-type fibromatosis
pp.691-694
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204858
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要約 7か月,女児.生下時より項部に帯状の隆起性病変を認めていた.徐々に同部位が増大し,硬結を触れる腫瘤となった.初診時,項部正中に母子頭大の弾性硬,可動性良好の皮下腫瘤を認めた.診断,治療を兼ねて摘出し,病理組織学的にnuchal-type fibromaと診断した.切除断端は陰性だったが,術後8か月で腫瘤が再発し再手術を行った.病理組織学的に初回摘出した腫瘍と同様で,切除断端は陽性であった.2回目の摘出術後6か月目に再々発したため,僧帽筋の一部を含めて再度摘出し,現在経過観察中である.Nuchal-type fibromaは主として項部に生じる膠原線維の増殖を示す良性軟部腫瘍である.30〜50歳台の男性に好発する.生下時発症の報告例はこれまで1例のみで,非常に稀である.通常は単純切除により完治しうる疾患だが,稀に再発を繰り返す例もあるため注意が必要と考えた.
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