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特集 最近のトピックス2010 Clinical Dermatology 2010
4. 皮膚疾患治療のポイント
重症薬疹Stevens-Johnson症候群ならびに中毒性表皮壊死融解症の眼病変
Ocular surface complications of Stevens-Johnson syndrome and toxic epidermal necrolysis
上田 真由美
1
,
外園 千恵
1
Mayumi UETA
1
,
Chie SOTOZONO
1
1京都府立医科大学眼科
1Department of Ophthalmology,Kyoto Prefectural University of Medicine,Kyoto,Japan
キーワード:
Stevens-Johnson症候群
,
中毒性表皮壊死融解症
,
眼表面炎症
,
ステロイドパルス
,
ベタメタゾン点眼
Keyword:
Stevens-Johnson症候群
,
中毒性表皮壊死融解症
,
眼表面炎症
,
ステロイドパルス
,
ベタメタゾン点眼
pp.94-98
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102581
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要約 Stevens-Johnson症候群ならびにその重症型とされる中毒性表皮壊死融解症は,皮膚病変に加えて全身の粘膜に水疱やびらんを生じる.SJS/TENは生命を脅かすのみでなく,高度の視力障害と重症ドライアイが後遺症となりうる.急性期の全身状態が重篤であるほど眼には関心がいきにくいが,急性期の治療が眼科的後遺症を左右するため,発症初期より適切な眼科治療を行うことが重要である.眼合併症を伴う患者では,①8割が皮疹の出る前に感冒様症状を自覚していること,②眼表面がMRSA/MRSEに易感染性であること,③常在細菌が存在する眼表面に炎症が持続すること,より発症や病態に自然免疫異常が関与する可能性があると考えられる.病態が明らかになれば視覚障害を招かないための治療,さらには発症しないための予防が可能になるかもしれない.
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