Japanese
English
症例報告
Toxic shock syndromeの3例
Three cases of toxic shock syndrome
齋藤 奈央
1
,
加藤 直子
1
,
阿部 由紀子
2
,
渡邊 英里香
1
,
村田 純子
1
,
清水 宏
2
,
重茂 克彦
3
Nao SAITO
1
,
Naoko KATO
1
,
Yukiko ABE
2
,
Erika WATANABE
1
,
Junko MURATA
1
,
Hiroshi SHIMIZU
2
,
Katsuhiko OMOE
3
1北海道がんセンター皮膚科
2北海道大学大学院医学研究科皮膚科学分野
3岩手大学農学部獣医学課程食品安全学
1Department of Dermatology,Hokkaido Cancer Center,Sapporo,Japan
2Department of Dermatology,Hokkaido University Graduate School of Medicine,Sapporo,Japan
3Department of Veterinary Medicine,Faculty of Agriculture,Iwate University,Morioka,Japan
キーワード:
toxic shock syndrome
,
エンテロトキシン
,
院内感染型MRSA
Keyword:
toxic shock syndrome
,
エンテロトキシン
,
院内感染型MRSA
pp.278-282
発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102545
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要約 Toxic shock syndrome(TSS)は,黄色ブドウ球菌が産生する外毒素エンテロトキシン(SE)がスーパー抗原として作用し,惹起される重篤な全身性感染症である.急激な発熱,血圧低下,びまん性の紅斑などで発症し,多臓器不全に進展することがある.今回われわれは,TSSの3例を報告する.症例1:63歳,女性.20年来の関節リウマチがあり,副腎皮質ステロイドホルモン剤を内服していた.齲歯の抜歯4日後に発症した.症例2:28歳,女性.産褥6日目に子宮内容清掃術を施行し,その3日後に発症した.症例3:79歳,女性.左乳癌の手術後8日目に発症した.原因菌として,症例1,2ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が,症例3ではメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)が検出された.症例2,3で黄色ブドウ球菌のSE genotypeを同定し,症例2は典型的な院内感染型のMRSAであることが判明した.
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