Japanese
English
症例報告
一過性水性手掌角化症の1例
A case of transient aquagenic acrokeratoderma
宮本 真由美
1
,
山﨑 正視
1
,
坪井 良治
1
,
三橋 善比古
1
Mayumi MIYAMOTO
1
,
Masami YAMASAKI
1
,
Ryoji TSUBOI
1
,
Yoshihiko MITSUHASHI
1
1東京医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Tokyo Medical University,Tokyo,Japan
キーワード:
transient aquagenic acrokeratoderma
,
水性
,
多汗
,
hand-in-the-bucket-sign
Keyword:
transient aquagenic acrokeratoderma
,
水性
,
多汗
,
hand-in-the-bucket-sign
pp.1003-1006
発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102466
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要約 15歳,女性.1か月前より入浴時に手掌が硬くなることを主訴に当科を受診した.そう痒はない.浸水試験8分後,手掌に白色から半透明の小丘疹が多数出現し,皺襞を形成して隆起性局面となった.しかし,浸水試験終了30分後には症状は消失した.皮疹誘発時の手掌の病理組織所見で角質肥厚と角層内汗管の拡張を認めた.過去の報告例を検討したところ多汗の合併が多く,自験例では寒冷地で症状が改善したことより,発症には発汗の異常が関与していると思われた.本症は病態がまだ明らかにされておらず,さまざまな名称で報告されているが,浸水により誘発される手掌の一過性の角質肥厚であることより,一過性水性手掌角化症の名称で報告した.
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