Japanese
English
原著
一過性に経過したLinear IgA Bullous Dermatosisの1例
A Case of Linear IgA Bullous Dermatosis with Transient Course
三橋 善比古
1
,
佐藤 静生
1
,
橋本 功
1
,
鈴木 真理子
1
Yoshihiko MITSUHASHI
1
,
Shizuo SATO
1
,
Isao HASHIMOTO
1
,
Mariko SUZUKI
1
1弘前大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Hirosaki University
pp.521-525
発行日 1983年6月1日
Published Date 1983/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202855
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要約 52歳,女性,初診の半年前から慢性関節リウマチにて治療中,3カ月前より全身に瘙痒を伴う小水疱,紅斑出現.組織学的に水疱は表皮下にあり,真皮乳頭層に好酸球と好中球の浸潤がみられた.電顕的に水疱はsubbasal lamina zoneに形成され,螢光抗体直接法で,表皮真皮境界部にIgAの線状沈着が証明された.抗ヒスタミン剤の内服のみで経過観察したところ,1カ月後に皮疹は消褪し,以後再発はみられなかった.本邦報告例を,IgAが真皮乳頭に顆粒状または細線維状に沈着するものと,境界部に線状に沈着するものに大別して罹病期間を調べたところ,前者の6例では,されぞれ5カ月,1年,4年,8年,15年,16年であるのに対し,後者では9例中6例が1年未満であり,両者間には経過にも違いがあるように思われた.
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